『ダブル』
漫才の大会は他にも色々あるが、
「コンビ結成10年以内」という分かりやすいルール、
吉本とか事務所は関係なし(といっても吉本芸人がやっぱ多い)、
あと年末のゴールデンタイムぶち抜き、
というあたりで(たぶん)、M1は日本で1番有名な大会になっている。
飲み会続きで寝不足のヒロコ。
気持ちよく酔った気はするが、あの時間は何だったんだろう…
どうも不毛な時間を過ごした気がしてしまう。
でもこれも人付合いってもんか、と割り切って
また忘年会へ。
一方、ハルカはこの飲み会は好きだ。
とくにインターン先の飲み会。
「うちらが日本を支えてる気がするねん」
フリーターの友達がそう言った。
フリーター増加が問題だ、という本をパラパラ見ながら続ける。
「それにフリーターを都合よく使ってるのは大人やん」
大人、というくくりはどうかと思うが、
フリーターが日本を支えてる、というのは間違いではないと思う。
いつの間にか街はクリスマスの飾りだらけになってきたこの頃。
大学生のハルカは相変わらずインターンとバイトに追われていた。
意気揚々と通うインターンと違って、渋々始めたバイト。
それもいつの間にか半年続いていた。
オープニングから始めたバイトだった為みな同じスタート。
しかし最近、新しい人がたくさん入ってきた。
それにしても、バイトというのはいい身分だと、今までは思っていた。
ハルカは、忙しいのが好きだ。
余計な事は考えず、ひたすら時間に追われる。
今のハルカの生活は、5割インターン、2割学校、2割バイト、その他1割。
予定はカツカツだが、それが結構うれしかったりする。
忙しく時間に追われている時、「あぁ私がんばってる」と感じられる。
一方、学校中心のヒロコは結構ヒマをもてあましていた。
やるべき事はあるのでヒマ、というのはおかしいが。
日々インターンに燃えるハルカ。
毎日バタバタして忘れかけていたが、
誕生日が近づいていた。
誕生日といえば、ハルカのインターン先で印象深い事があった。
それは、誕生日の人がみんなにお菓子を買ってくることだ。
誕生日といえば何かもらえる事を期待してしまうハルカにはかなり衝撃だった。