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『ダブル』

シンジは、飲食店でバイトを始めた。

今までやってきたバイトは家庭教師や事務仕事。
正直、飲食の仕事なんて、どこかで見下していた。
注文を取って、料理を運んで、片付けて。
同じ事の繰り返しだ、と。
働き出してみると、確かにそう、同じ事の繰り返しだ。

考える事といえば、客の数(お茶の数)、オーダー、食事が終わったかどうか。
これだけ考えていれば、何とかバイト時間はやり過ごせる。
それに、タイムカードに表示された「勤務時間」。
これで軽く掛け算をするのが最後の楽しみ。

でも、今、そんな「バイトの時間をやりすごす」以上の事を、
周りの人たちから教わっている。
店長は、全てのお客さんの顔、注文したものを覚えている。
全てのお客さん一人ひとりを特別な存在としてもてなせ、という。
スタッフにとっては100人の中の一人のお客さんでも、
お客さんは、この場所で、2度とない特別な時間を過ごしてくれている、と。

飲食店のアルバイト、相当奥が深そうだ。
自分は今日、何人のお客さんを覚えられるだろうか。
まずは最初のお客さん。
何を思って、ここに足を運んでくれたのか。
色々想像を膨らませながら、最高のおもてなしを、したい。

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2007年5月25日 09:00に投稿されたエントリのページです。

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