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『ダブル』

最近、環境問題、に興味を持ったヒロコ。
元はと言えば、掃除中に、自分が昔読んだ絵本がきっかけだ。
宅地開発のため住み処を奪われ、旅に出るウサギたちの物語。
懐かしいな、とページをめくるうちに、小さい時の感覚が蘇る。

そういえば、私は動物が大好きだった。
小学校の時から、シートンに椋鳩十、といった動物記ばかり読んだ。

成長するにつれ、周りを見るようになり、そんな事は忘れていった。
戦争や貧困、さまざまな社会問題…
世界にはそんな事が溢れてるんだ、と知っていく。
そんな人間が抱える問題を前にすると、動物の事なんて、どうでもいいんだ、
そんな気がした。
野良犬が殺されるのは可愛そう。
イルカを殺して食べるなんてひどい。
そんなのにいちいち心を痛めといたらキリがない。
そんな事にこだわっている自分がひどく子供っぽく思えて、
そんな事を考えるのをやめた。

でも、絵本をめくっているうちに、その頃の自分の気持ちを思い出した。
自分が、動物たちを心底愛していたんだな、と思い出した。

大学生として、就職について、将来について考えている毎日では、
自分が純粋に何がしたいのか、わからなくなる時がある。
「これを勉強した方が就職に有利」
「これを学んだら社会で役に立つ」
そんな情報を一番に信じて、特にやりたい訳ではないがとりあえずやってみる。
それが本当に就職に有利かもしれないし、社会で役立つかもしれない。
でも、そうでなかった時、それを信じた私は誰を責めれるのか。
「信じた自分がバカだった」としか言えない。
「就職に有利」なんて、あまりにも抽象的で、誰が決めたかもわからない。
(新聞記者になりたいひとが、新聞社への就職に…等は除く)
でも実際、大学生はよく口にする。

でも、自分の心の奥底から来たものを信じたなら、それで失敗しても、
納得がいく。

ただ、自分の奥底から来るものを見つけるのが結構難しい。
好きな音楽を見つけるのに似てる、と思う。
この曲大好き!と思う曲が何故好きかを言葉で説明するのは難しい。
とにかくいい。好きなものは好きだ。何かいい。
それはきっと、誰に言われた訳でもなく、自分の底からくる感覚だと思う。

自分のやりたい事、それもそんな風に、うまく説明はできないけどこう思う、
そんな感覚の延長線上に、きっとある。

ヒロコが動物が好きだ、というのも説明はできない。
でもそれは確かなことだ。
いくつになっても、その感覚は否定できないものだ、というのもわかった。
絵本を見ただけで、その感覚を取り戻せるんだから。
でも、もうヒロコは「どうぶつをころすのはかわいそうだからやめて」
そんな事言ってられる歳じゃない。
人間が動物を食べるのは当たり前のことだ。
でも、嗜好品のためだけに、数少ない種を減らし、絶滅させるのは間違ってる。
生物の多様性を守らなければ、環境のバランスを壊し、いずれ人の生活へ影響する。
人の為にも、環境破壊をなくし、あくまでも持続可能な開発を心掛け……
詳しくはこれから勉強しなければならない。
このように普通の大学生らしくお勉強、を装っているが、
その根底にあるのは、つまり動物が好きだ、という事だけだ。
それを信じて、実践したいと思う。
これを信じて大失敗、それも有り得る。
でもコレは物心ついた時からのヒロコの習性。
「信じた自分がバカだった」とは思わないだろう。

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2007年8月10日 09:00に投稿されたエントリのページです。

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