ヒロコは先日、大学生の友人にそう言われ腹を立てた。
何で友人にそんな偉そうな事を言われなきゃいけないのか。
しかし腹が立ったのは、それが半分図星だったからだ。
しかし世の中、どれ位の人が「将来のビジョン」を見えているんだろう。
インターンに邁進するハルカには見えているんだろうか。
たしかに、将来のビジョンなんかが見えにくい学問より、
パソコンに向かって何かを作り出すという、ハルカのインターンは、
よっぽど「将来のビジョン」に近いカンジがする。
ただ、そんなハルカは、学問から将来のビジョンを描く事、
それから逃げている、もしくは諦めてしまったようだ。
インターン生活を中心に、世界を見ているようだ。
「これは仕事(インターン)のためになるか?」
学校でもそれを基準に考えている。
だから、古典文学の授業なんて息抜き時間ぐらいの扱いだ。
ヒロコは、そんなハルカを心配する半面、羨ましくもあった。
自分には、ぼんやりとして形のない「将来のビジョン」が、
ハルカは(それが正しいかはわからないが)、はっきりと描いている。
はっきりと描きすぎて、他を切り捨てている。
ヒロコは、興味が分散してなかなか焦点を絞れない。
アレもしたい、コレも大切そうだ、ソレも役立つかも…
そしてまた焦点がボケていく。
描こうと焦れば焦る程、将来のビジョンがぼやけていく。
そのことにさらに焦るヒロコだった。