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┃ コラム 「ベンチャー企業でのリーダーシップと孫子の兵法 」
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┃ 斉藤 2002/10/22
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『ベンチャー』と『リーダーシップ』。近年この2つの言葉は若者の間でも注目を集めるキーワードになっているようです。このジョイブ通信を読んで頂いている皆さんの中にも、最近この『ベンチャー』や『リーダーシップ』について大学の講義で学んだり、関係する本を手にとったりしたことのある方は多いことでしょう。そんな皆様に今日は少し新鮮な視点で、『ベンチャー企業におけるリーダーシップ』について考えて頂きたいなと思っています。
この稲盛さんのリーダーシップ方針の大転換について考えていたとき私はふと、孫子の兵法のことを思い出しました。孫子の兵法とは、『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』などの名言を多く含んだ中国の孫子が残した兵法指南書で、現代ビジネス界における有益な処世術をも示唆した書として近年再び注目を集めていますが、その兵法の中で孫子は以下のような言葉を残しています。
有能な怠け者は リーダーたれ
有能な働き者は リーダーの手足たれ
無能な働き者は すぐに首を切れ
無能な怠け者は ほっておけばよい
―― 解釈 ――
有能な怠け者は自分自身の働きによって組織に大きな貢献をするわけではないが、有能な働き者たちが自分自身の働きによって積み上げた貢献を何倍もの大きさに膨らませることができる。
無能な働き者は有能な働き者と同じように働いているように見えるが、実際は大義のない無駄な動きをすることによって組織全体の浪費を増やし負の作用をもたらすことになる。
無能な怠け者は積極的に負の作用をもたらすことはないのであるから、静観しておけばよい。
実際まだ規模の小さなベンチャー企業では、仕事のできる『有能な働き者』経営者が求められるようです。ベンチャー企業のスタートアップ段階においては、自ら先陣をきって営業をし、新規顧客を切り開いてゆく、その働きぶりによって社員と顧客を魅了し率いてゆくリーダーシップが必要とされているからでしょう。しかし『有能な働き者』経営者がトップである限りその組織の成長はそのリーダー一人の有能ぶりに大きく負うことになり、組織全体としてそのリーダーの器を大きく凌駕してゆくような中堅企業や大企業へと変貌を遂げることはできません。
ベンチャー企業が中堅企業や大企業への厚い殻を破って急成長を遂げるためには、自ら有能ぶりを発揮するのではなく『有能な働き者たち』の貢献を何倍もの大きさに膨らまし、社員をリードして成長を促すことのできる『有能な怠け者』経営者が必要となるのです。稲盛和夫さんのリーダーシップ方針の大転換も、考えて見ればまさにこの通りだったわけです。
この孫子の兵法に見えるリーダーシップの考え方は、ベンチャー企業で実際に働かれている方や企業でリーダーたることを求められている方だけでなく、学生の皆さんがサークルや学生団体を運営されてゆく際や就職活動をしてゆく際などにも、参考になるはずです。
あなたの所属するサークルの運営はうまくいっていますか?あなたが希望する就職先のベンチャー企業は、将来会社を大きく伸ばしてゆくリーダーとその手足を持っていますか?今回のジョイブ通信をきっかけに、孫子の兵法を参考にしながらそんなことについて考えてみて頂ければ幸いです。