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┃ コラム 「どんな人材になればよいのか」
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┃ 代表取締役社長 藤井 徳樹 2004/2/5
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先日、弊社の面接にお越しいただいた学生の方からこのような相
談を受けました。
「ある会社の人事の方に、『将来起業するなら大手企業にとりあ
えず入ったほうがいいよ』と言われたので就職は大企業にするか
ベンチャー企業にするか迷っています。」と。
もともとベンチャー企業志向だったのが、そうした一言で揺らい
でしまったようです。
社会人にとって、学生にアドバイスをすることは非常に責任があ
るなと思いました。
また学生も、社会人の方の話をどこまで真に受ければよいのかも
分かりません。
その学生の方にも話しましたが、特にビジネスのフィールドでの
相談事は活躍している方に聞かなければならないと私は思います。
会社を辞めようとか、不満に思っている方に仕事や会社について
相談しても、マイナスな意見が返ってくるだけです。また、起業
していない人に、起業について相談しても的確な答えが返ってこ
ないでしょう。
学生の方々にとって、社会人の方々はどの方も魅力的に映ります。
しかし、学生にとって社会人は魅力的なのはある意味当然です。
ただ、本当にビジネスの世界を理解している方かどうかは分かり
ません。
その社会人の方々が活躍しているかどうかは例えば次のような質
問で明確となるかも知れません。
「労働分配率はご存知ですか。先輩の労働分配率はどのくらいで
すか。」
労働分配率とは、粗利(売上から原価や仕入れ値を引いた売上総利
益と呼ばれるもの。例えば問屋より20万円で仕入れ、お客さんに
30万円で売った場合の粗利は10万円です。)に占める人件費の
割合です。結構重要な指標でコンサルティング会社の筆記試験にも
出たりするようです。
40%が基本となる指標ですが、60%を超えている大企業も多い
ようです。(給与とは稼いだお金の3?4割ほどがもらえる金額で
あると認識しておいてください。よく、これだけ頑張っているのに
・・・、となってしまう方もいますが、彼らの分は稼いでいない方
に回されています。)
個人の成果として個人粗利を出している会社も多く、個人の給与
と比較すると個人の労働分配率が算出されます。
ある意味、非常に失礼な質問と捉えられるかも知れません。しかし
質問を受けた社会人がどう答えるかによって、その方の意見をしっ
かり聞くべきか判断できるし、その方が企業内において「人財」か
「人材」か「人罪」なのかが分かります。
1.労働分配率自体を知らない→ほぼ間違いなく「人罪」
2.指標は知っているが自分の労働分配率を知らない
かもしくは「会社の体制上、把握しにくい」と言
い逃れる→おそらく「人罪」
3.あいまいに「40?50%ぐらい」と答える
→「人材」?
4.謙虚に「まだまだ60?70%ぐらい」と答える
→将来は「人財」となりえる「人材」
5.「40%以下」と答え、まだまだその指標を下げようと
意識している→間違いなく「人財」
企業において、「人財」は全体の10?20%程度しか占めていな
いと言われています。一見、仕事人間のように映ってしまう人たち
ですが、会社とのギブアンドテイクを責任感を持って実行している
方々です。ビジネスの厳しさを理解しているため、相談しても非常
に分かりやすいしっかりした(おそらく厳しい)答えが返ってくる
でしょう。
でも会社説明会で質問しないでくださいね。大半の人事の方は「2」
を答えてしまうので。人事の方に魅力がなくても会社に魅力がない
とは限らないし、人事の方に魅力があっても会社が良いとは限らな
いのです。
少なくとも人事の方と一緒に仕事をする可能性は低いので実際に第
一線で働いている人に質問をぶつけてみてください。その上で、
「人財」と分かった方にいろいろ相談するようにしてください。
また、社会人の方も、実体験を持って言えること以外は、「自分は
こう思う」と加えるべきだと思います。
よく就職活動をしながら、「自分を隠して思ってもいないことを話
して内定を取るような活動はおかしい」と思う時期が来るかもしれ
ません。
もっとも、そのような方が入社して、面談で「思ってもいないこと」
を実際に実行しなかったらそれは問題です。
しかしながら、会社が求める人材像は「思ってもいないこと」を
実際に「思ってくれる」人なのです。
分かりやすく言うと、ビジネスを実体験していない学生の方々が素
のままで受け入れてくれる企業は少ないということです。今の自分
のままで企業で活躍できる方は本当に少ないと思います。
「会社の求めている人材像と私は違うから合わない」という意見は
学生の段階では持つべきではなく、「そうした人材像」になれるよ
う自分を変えていく努力がむしろ必要なのです。
ただ、最近は企業が求めている人材像と現在の若者のギャップがあ
まりにも大きく、企業側が譲歩しているだけなのです。
ではどんな人材が求められているのか?会社によっていろんな答え
が返ってきます。でも共通する人物像があるのではと思い、最近は
そのことばかり考えています。
現段階での私が思う「必要とされる人材」は次の著書に述べられて
います。
「ガルシアへの手紙」(総合法令)
簡単なあらすじは、「どこにいるのかも分からない方に手紙を持っ
ていくように頼まれた場合にもまずイエスと言い、責任を持って任
務を全力を尽くして成し遂げるような人材こそが今の世の中にとっ
てどこでも必要とされ、そうした人が増えない限り、今の世の中は
良くならない。」という内容のものです。
「責任感」という言葉はあまりにも安易に使われています。最近読
んだテンプスタッフの社長のことが書かれた本の中で、印象の残っ
たフレーズの一つに、「社員を採用する場合に、会社がダメになっ
ても1年分の給与を払い続けられるだけのお金を一人一人確保する
までは採用しない」とありました。これは社員を採用する上での社
長の責任感が表れていてすごいと思いました。
最近は、国を挙げて「起業」ブームをつくろうとしていますが、私
は責任感のない方は「起業」してはいけないと思っています。一般
的には「若いうちに失敗してもやり直しがきく」と言われています
が、失敗した際にまわりにも迷惑をかける場合が多く、責任感のあ
る社長は自殺して生命保険で取引先への支払いや社員への給与支払
いを行っています。
社員を採用する限りは、全員分の1年分の給与が払われるだけの生
命保険を掛けられるか。まさに「命がけ」の立場であり、逆にそれ
だけの責任感が必要な立場なのです。(本当は死んでまで責任を果
たさなくても一生をかけて返していくべきだとは思いますが。)
しかし、これだけ世の中がおかしくなってきている今、「命をかけ
られるだけの責任感を持った人」が政治や経済を引っ張っていかな
ければならない。
少なくとも私は60歳までは世のため人のため国のために自分を後
回しにして頑張ろうと決意した人間の一人です。(人生60すぎか
らでも充分楽しめると信じています。)今はもっとそうした人たち
を増やしていくことが楽しみの一つです。