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┃ コラム 「ニート異聞」
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┃ 高牧 寛 2005/3/17
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昨年夏から「ニート」という言葉が世にあらわれ、最近でもよく耳にす
るようになりました。
ジョイブのメルマガでも何度か顔を出しているこの言葉、『ニート―フ
リーターでも失業者でもなく』(幻冬社刊)が日本での発祥のようです
が、無業者で就業の意志のない、学校も行かずそして就業のための訓練
もしていない人のこと、というのは既にご存知かと思います。
この「ニート」という存在、けっこう手厳しい目線が向けられている昨
今ですが、「ニートは怠け者、という単純な問題では片付けられない。」
と千葉大学・宮本みち子教授は指摘しています。
度重なる就職活動に失敗しあきらめてしまった人。就職は出来たけれど
当初のイメージと実際の仕事のミスマッチに早期退職をしてしまった人。
ただこれ以外にも、心の病を負ってしまった人や、いわゆる“ひきこも
り状態”に陥っている人など、決して一様ではないようです。ですから、
ニート問題の解決策として単に就労支援だけに注力するのは早計である
と、ひきこもり問題に詳しい斎藤環氏は警告しています。
ニートの人たちに共通しているのは、自分が仕事に就いてもうまくやっ
ていけない、という自信の欠如といわれています。コミュニケーション
能力も関わってくるかとは思いますが、仕事に対する“希望”が亡くな
ってしまっているということだと思います。
でもこれは果たしてニートの人たちだけの共通項でしょうか?現在働い
ている人、就職活動している人の中にも実はあるのではないでしょうか?
漫画家の江川達也氏はおもしろい事をいっています。大人はニートに対
して非難するが、
「あなたの定年後は?」と聞くと、
「仕事から解放されて悠々自適の生活をします」って。
これってニートぢゃないの?!と。
仕事は辛いもの、つまらないものだから、定年まで頑張って、その後解
放されようって考える。この発想の中に「仕事に対する“希望”」って
あるのでしょうか?楽しかったら、面白かったら、もっと続けたいと思
いませんか?
ニート状態にある人も頑張らなきゃいけない。
でも、社会としてもニートを生み出している源を治癒していかなければ
根本解決にはならないと思うのです。
それは、仕事とは本来楽しいものという“希望”(くれぐれも“楽ラク”
という一過性のものとは違います。)を今の大人が、また気づいた人が
指し示していくことだと思います。
あるテレビで、山間の民家で、朝暗がりから深夜まで働きづめの初老の
お母さんが、「こんなにいっぱい働けてうれしいことはない」とリンゴ
ホッペで笑っているのを見て、自身の仕事観も、今一度見直していこう
と思っています。