┃ コラム 「身体感覚」
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┃ 高牧 寛 2005/06/23
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町を歩いていると、リクルートスーツ姿の学生の方をよく見かけます。
ずいぶん前から日本人の体型は変わってきたと言われておりますが、
昭和40年代生まれの私の世代と違い、プロポーションのいい体型の方が
圧倒的に増えてまいりました。
ただ、そういう方々の姿を見るにつけ
ずっと気になっていることがあります。
それは「歩き方」です。
男女を問わず、髪の先から靴の先まで決めているのに「猫背」で歩いてい
る。また高いヒールを履いているのに、前のめりになって「及び腰」で歩
いている。
立ち姿は決まっていて、旧人類の胴長体型の私とは天地雲泥の差がござい
ますが、残念ながら一歩踏み出すと「馬脚」が表れる。
格好をつけるなら、また就職面接で差をつけたいなら、やはり歩き方にも
意識を持ってほしいといつも思います。
せっかくファッションだけは決まっているのに、かえって「玉に瑕」です。
でもこの問題は、「身体感覚」そのものの欠如に由来するのではないかと
思うのです。
「身体感覚」とは、概要
“肉体をバランスよくコントロールする感覚”ですが、それは例えば、
人と並んで歩くときに適切な距離を保てる
“距離感覚”であったり、
電車でつり革につかまらなくても、よろけることのないような
“中心感覚”などのことです。
詳細は省きますが、この「身体感覚」にはある種の緊張感が必要で、例え
ば、背骨や、足の裏、といったところに常に意識があり体を支えている。
緊張感とは単に“張っている”のではなく、例えばでこぼこ道を歩くため
の柔らかい膝を維持するというのもあります。
要は身体の要所に意識が張り巡らされているともいえるでしょうか?
これは意識的な段階から、訓練されて無意識に振舞えるようになりますが、
この感覚は、単に肉体のコントロールという生理学的な段階を超えて、精
神面と多分にリンクしているといえるようなのです。
腰を据える・肚を決める・浮き足立つ・足が地に着いている・・・身体を
例えて表現する言葉はさまざまありますが、「身体感覚」に関わるものが
非常に多い(特に腰や足に関わるもの)。
これは全く精神と肉体が離別しているのではなく、一体不ニということの
表れだと思うのです。
意識がしっかりして気持ちが“シャン”としている時はどこか身のこなし
にもハリがあります。それが日頃の生活、大きくいえば生き様に“シャン”
として気を張っていると、日頃の振る舞いにハリが出てくるのです。
だから、外面だけを意識するのではなく、内面も意識した方が結果として
本当に格好良くなると思うのです。
まずは形から入って、歩き方を意識してみてはいかがでしょうか?
その緊張感が、精神面にも良い作用を与え、面接時にも良い結果をもたら
すことでしょう。
ぜひお試し下さい。
参考文献『身体感覚を取り戻す』斎藤孝
※影響 『バカの壁』養老孟司