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時給1,600円の罠

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┃ コラム 「時給1,600円の罠

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┃                           代表取締役社長 藤井 徳樹  
2007/5/2
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30歳近くで正社員になれずに困っている人は多くいる。
しかしながら、ほとんどの場合、正社員採用されることは難し
い。

企業は30歳の多少仕事ができる人よりも22歳で仕事ができ
ない人を採用する。どうしてか?

それは25~26歳の3~4年目の社員が部下をもつ際に、そ
れが年上だとどうしてもうまくいきにくい。

最近は「言われたことだけできても評価されない」というよう
な話しも聞くが、最初は「言われたことをしっかりできる人」
が評価されるし、上司にかわいがられる。

22歳の新人は「言われたことをしっかりできる人」になれる
が、30歳だと「もっとこうしたほうが・・・」となかなか言
われたとおりにできない。

入社時には、「年下が上司だよ。」と言われて「大丈夫です。」
と言っていても、必ずつらくなって1年で辞めてしまう人が大
半で、そうした経験を踏まえ企業も採用を控えるようになった。


では、どうして彼らは30歳まで正社員にならずにきてしまっ
たのか。

 

 

今のフリーター問題と同じようなことだが、正直、月給ではな
く、時給で十分暮らしていけるから。

更に言うと、最初の1~2年は正社員になるよりも手取りが多
くなることも多い。

現状では、正社員の平均月給(初任給)は約200,000円。

派遣社員になると、平均時給は1,600円として、1日8時
間、月20日間働くと、256,000円となり、時給に交通
費が含まれていたとしても、正社員よりも割高でしかもサービ
ス残業がない。

こうした現状を先輩や友人に教わり、派遣を選ぶ人が増えてき
ている。

学生時代にアルバイトで時給1,000円位はもらっていたと
しても、1,600円はものすごく高給に感じる。

ところが、3~4年目にもなると一気に逆転する。正社員はボ
ーナスも含めると年収は400万円近くになるが、派遣社員は
300万円か時給が上がっても350万円程度。

しかし、月給25~30万円に慣れた生活をしてしまっている
ため、正社員の道に進もうにも最初はやはり月給20~25万
円程度のスタートになるためなかなか踏み出せない。

そうこうしているうちに7~8年経過し、年収400万円の壁
にぶつかり、結婚、子育てという現実を考えるとどうしても足
りない。それであわてて正社員を志願するが時すでに遅し。

運のよい方で正社員になれる方ももちろんいるが、ほとんどの
方はなれない。その結果として、晩婚、少子化につながってい
る。


最初、「割がいいな、おいしいな」と思うことには必ず落とし
穴が潜んでいる。世の中の起こることはすべて公平にできてい
て、あまりに一方的においしい思いをしようとすると、病気や
ケガをしてその分が出ていってしまう。

逆に多少「損得」でいうと「損」を選ぶような人にはあとでよ
いことが巡ってくる。損は「ギブアンドギブ」の「ギブ」であ
り、必ず返ってくる。

お金にがめつい人は多くいるが、どうしても「ギブ」ができな
いため、心が不安定で性格も人相もきつくなり、最終的にはこ
の世である意味いちばん醜いと思われる遺産相続争いで頑張っ
てしまうことになる。


派遣でもそこそこ業務経験が増えるため、正社員としても通用
するのでは、と考える人もいるだろう。しかし、派遣を企業が
活用するのは、正社員にやらせるにはスキルアップも比較的望
めずかわいそうだから、といった仕事を派遣に任せられるから。

学生時代に、接客のアルバイトなどでかなり責任ある仕事をし
て、「自分は仕事ができる」と思って入社したが、そうした経
験がほとんど通用せず挫折している新卒を多く見てきた(自分
もそうでした。)。結局アルバイトでやっている業務も上記と
同じ内容だから。

あともう一つ、仕事の捉え方。時給で仕事をすると、仕事を「
稼ぐこと」と捉えてしまう。自分の力で稼いで自由なお金を得
る、という自己満足な感覚を楽しんでしまう。

しかし、仕事は突き詰めていくと「顧客満足」というところに
いきつく。「自己満足」ではとても到達できないエリア。これ
が大体年収500~600万円の壁なのだと思う。

自分のためだけに仕事をしていると結果として大きな壁は乗り
越えられず成長しない。

最初にどれだけ社会に対し、また自分の将来の成長に対し「ギ
ブ」できるか。目先の損得で動いた人は結局はなかなかよい人
生を送れていない。

私は学生時代は小銭稼ぎのアルバイトはほとんどやってこなか
った。親が多少余裕のある家庭であれば、お金がなければ親に
頭を下げればよい。あとでその何倍もの恩返しができる自分が
描けると思う。親に対しても、社会に対しても。


昨年、バングラデシュのグラミン銀行の取り組みが評価され、
ノーベル平和賞を受賞した。担保がなくても小口融資で融資を
受けられるようにし、人々に貧困からの脱出を支援したものだ
が、格差社会脱却のヒントはここにあると思う。

お金に追われる立場になるか、融資などで資金を得て主体的に
動ける立場になれるか。

起業にしても何をはじめるにしても、最初は授業料を払うこと
になる(マージャンが最も分かりやすい。)。その授業料を潔
く出せるか、ケチってしまうか。

浪費はいけないが、目的のある投資には必ずリターンがある。
自己投資でもあり社会のための投資にもなる。
出した分、必ず返ってくる。

最初にギブすることがポイント。テイクすることばかり考えず
に。それがなかなか難しいからこそ、苦労している人が多い。

今の自分の値段よりも10年後の自分の値段を描こう。そうい
う人は穏やかで気持ちのよい顔をしているもの。

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2007年5月 2日 13:40に投稿されたエントリのページです。

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